脱毛エステ最大手の「ミュゼプラチナム」を運営するジンコーポレーション(本社・東京都渋谷区)は6日、借金の返済が滞り、銀行団との間で任意整理の協議に入っていることを明らかにした。事業は続けたうえで、再建計画をまとめ、来年3月までに銀行団の同意を得ることを目指す。

 高橋仁社長が同日、都内で会見して明らかにした。

 ミュゼは全国に脱毛エステサロン約190店を展開し、会員は270万人。8月下旬から9月上旬にかけて解約件数が増え、前もって支払ったエステ代金を顧客に返す費用などがかさんだ、と説明している。

 昨冬以降、スタッフが不足気味にもかかわらず、テレビCMや電車内広告を打ち続け、予約が取れないなどの苦情が出ていた。高橋社長は「過大な広告が経営の誤りだった」と述べた。

 ネットメディアや雑誌では6月以降、経営不振がとりざたされていた。ミュゼ側は会見で、違法な会計や、顧客への返金が滞ったことはないと説明。施術時間を半分にできる高速の脱毛機を導入し、今後は予約しやすくなると説明した。

 常陽銀行(水戸市)など主要取引銀行のほか、電通など広告会社に対しても負債があり、支払い猶予の交渉をしている。負債額は明かさなかった。再建計画では広告費の削減や新規出店の抑制、店の統合なども検討する。4千人の従業員の削減は考えていないという。

 ミュゼの運営会社は2002年に福島県郡山市で設立。「初回100円で何度でも通える」などと格安料金を売りに、人気女性タレントの広告で知名度を上げて急拡大した。14年の売上高は386億円。

(朝日デジタルより)